血尿が出やすい。

私は経験したことはありませんが、おしっこが赤くなると、それはびっくりすることでしょう。 しかし意外と多い症状のようで、私の周りの友人等から「血尿が出た」という話は良く聞きます。驚いて病院に行っても膀胱炎等の感染症の心配がなく、腎機能等に問題が無ければ「無理をしないで過ごして下さい」などと言われるだけで、様子を見ることとなります。50歳以上の方で、痛みなどの症状が無い場合には腫瘍などの存在が疑われ注意が必要ですが、それ以外は一時的な症状であるケースが多いようです。もちろん病院の受診が必要な症状ですが、1年に数回起き、原因が分からない場合などには漢方薬の服用を考えてもいいでしょう。 西洋医学的には問題なくとも、漢方的には身体のバランスの乱れが見つかることがほとんどです。中医学では血尿の原因として"熱"を疑います。"熱"の発生原因は様々ですが、単なる発熱とは違いますので、睡眠不足や疲労などもその要因となることがあります。"熱"は体の中で"血絡"を傷つけて、血尿を生じさせます。もちろん身体のバランスが崩れた異常な状態ですから治していく必要がありますが、一時的な"熱"であれば自然と収まることも多いでしょう。 しかしながら"熱"体質が慢性化していると、何度も血尿が出やすくなってしまうのです。よって"熱"を冷ますお薬である「五淋散」や「猪苓湯」などを使って治していきます。しかし、"熱"の発生原因は人それぞれであり、その根本を改善していく必要があるでしょう。疲労から生じる"熱"と、お酒の飲み過ぎで生じる"熱"、ストレスで生じる"熱"と様々なパターンがありますので、しっかりと見極めて漢方薬を選択することが重要です。血尿は体から出る、非常に分かりやすい「危険信号」です。ぜひ漢方的な見方でしっかりと対処をしましょう。