舌にコケがつく

中医学には「舌診(ぜっしん)」という診察方法があります。舌の状態を見ることによって、体質判断の材料とするのです。 舌には非常に多くのヒントが隠されているので、漢方の専門家は必ず確認をします。そして、舌の表面につく物質を「コケ」と呼びます。この「コケ」は一般的には口臭の原因となるとされ、気にする方は毎日磨くようです。また、口腔外科や歯医者などで、「コケは取りましょう」と勧めている先生もいらっしゃるようです。しかしこの「コケ」も「舌診」の判断基準からすれば、体のバランスの乱れを表している症状の一つとなります。ブラシなどで取り除いて一時しのぎをするだけでなく、体質改善をして、「コケ」を生じない体づくりをすることが大切なのです。 中医学における「舌診(ぜっしん)」では、舌の状態に依り様々な体質判断を行います。その中で"コケ"が厚く付いた状態は基本的に"湿"が溜まった状態と捉えます。"湿"とは不要な水分のことであり、これが"コケ"を生みだすと考えるのです。よって不要な水分が体から無くなれば、"コケ"も少なくなっていきます。"湿"が生じる原因は様々ですが、食べ過ぎか胃腸の消化不良が原因であることが大半です。よってお腹を労わって食事をすることが何よりの解消法となります。冷たいもの、脂っこいものは避け、消化の良い食材を摂るようにしましょう。なお"湿"がある場合に、水分摂取を控えめにするべきかといえば、そうとは限りません。胃腸が水分を処理しきれないことが問題なため、必要な量はきちんと摂るべきです。しかし冷たいジュースやビールを大量に飲むことはさらに"湿"を生む原因となりますので、出来る限り控えましょう。このような養生を行ってもコケが取れない方は体質が関係していると思われます。「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」や「温胆湯(うんたんとう)」などの"湿"を取り除く漢方薬を上手く活用すると、"コケ"が減るばかりか健康な体作りにも役立つと思いますよ。

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