唇が閉じない

皆さんは「口が開いているよ」と言われた経験はありませんか? ぽかんとしていると自然に口は開いてしまいますが、どうしても顔全体の印象として、しまりがなくなってしまいます。しかし突発的ではなく、慢性的に口が閉じていない方も多くいらっしゃいます。このような方の一部は、鼻の通りが悪く、口を開けていないと呼吸が苦しいために自然と開口してしまう、というケースです。こういった場合の対処としては鼻の状態を良くするしかありません。 一方、鼻は通っているのに、唇が閉じていないように見える方もいます。この場合には内臓に問題があると、中医学では考えます。もし、子供のころから口が開いていることを指摘されていたのであれば、先天的に内臓が悪いのかもしれません。そうであれば、体質を自覚した上で、養生や漢方薬での対処をしていくことが重要です。口が開いているように見える方は、鼻が悪いケースもありますが、先天的に胃腸が弱いという可能性も考えられます。中医学では「望診」という、診察方法があり、顔や体の状態を見て(眺めて)体質判断の参考にします。その中で、口唇が閉じていないように見える方は「脾」すなわち消化器官の力が弱い(脾気虚)と捉えると記載されているのです。もちろん本人の癖であるようなケースも考えられますが、専門家は脾気虚を疑って、その後の質問などでは注意深くその正誤を確かめていきます。もし口が閉じていないように見えて、やせ形で疲れやすいようなタイプの方が近くにいれば、「胃腸が弱いかもしれない」と考えて、消化の良い食事を摂るように勧めてみるといいかもしれません。もちろん自分や家族が当てはまるようであれば、食事に気をつけるとともに、漢方薬を試してみるといいと思います。「六君子湯(りっくんしとう)」や「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」が脾気虚の代表処方です。

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