横になりたがる

人間は基本的に立って生活する生き物。座るという姿勢はもちろんありますが、寝る時以外は横になることは多くないはずですよね。

しかしながら、時により横になることを望むケースがあります。非常に疲れた際はもちろん致し方ないですが、普通に生活しているのに横になることを異常に欲するようであれば、注意が必要です。そもそも「ちょっと横にならして」「横になれば?」という言葉は気分が悪かったり、具合が悪い時に用います。長時間立っていることが出来ないという方とも似た傾向があるのかもしれませんが、横になるという日常生活ではあまりない姿勢を望むということは、普通とは言えないと理解して、対策を考えてみましょう。

横になりたくなるのは、中医学で云う「気虚」であることは間違いありません。要するにエネルギーの不足ですから、「疲れやすい」「だるい」「眠い」という症状も発生します。さらに「冷え」が伴うようであれば「陽虚」とよばれる、身体を温める「陽気」が不足している病証を疑います。運動をした後や、食後に横になりたがるのは普通ですが、日常的な感覚として横になりたくなることが多い場合には注意が必要です。単純な「疲れ」より深い状態が疑われますので、「補陽」をしていく必要が生じます。具体的な漢方薬としては「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や「参馬補腎丸(じんばほじんがん)」などが挙げられます。ちなみに風邪の時にも横になりたがることが多いのですが、この場合も考え方は似ていて「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」などの「補陽」が出来る処方を検討します。

症状一覧

このHPについて