年齢とともに記憶力はどうしても低下し、物忘れもひどくなります。私は30代ですが、人の名前やお店の名前がなかなか出なかったりすると「年を取ったのかなあ」と感じます。多かれ少なかれ誰でもあることだと思いますが、あまりにもひどい状態ですと、体のバランスの崩れが原因である可能性が考えられます。
そもそも物忘れとは、脳の記憶機能の問題だと思います。そしてこの記憶機能を生かすためには、十分な栄養が脳に満たされていなければなりません。脳は非常に多くのカロリー(エネルギー)を消耗する器官であることは良く知られており、その不足が物忘れにつながっている可能性は高いと思います。
中医学では五臓の「心」は「神」を主る、と言います。ここでの「神」は"精神"に近いものとお考えいただくと良いと思います。そしてこの「心神」の力が十分でないときには、いわゆる精神が不安低な状態になります。強い不安感、不眠、そして意識が混濁するなどの症状が起こるとされるのです。
そして「物忘れ」に関しても「心神」の「陰血」不足と考えることが一般的です。「血」不足であれば、集中力が無いなどで終わりますが、これがさらに悪化すると「陰血」不足となり物忘れが顕著になってきます。「陰」は年齢とともに段々と消耗していきますので、年とともに物忘れが激しくなっていくことは致し方ない面もあります。しかし、常に「陰血」が失われないように養生すれば、物忘れもそれほど気にならなくなると考えます。
「陰血」が消耗してしまう要素としては、
・睡眠不足
・パソコンなどで目を使いすぎること
・多大なストレス
などがあります。これらに気をつけて過ごすとともに「天王補心丹(てんのうほしんたん)」や「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」など「陰血」を補う漢方薬を体質に合わせて服用すると良いでしょう。