痰が多い

痰は基本的に余分な物質を体外に出そうとする生命現象であり、無理に止めるべきではないと私は考えます。しかし、不快な痰が大量に出る状態は、生活に不便をきたします。痰の原因を排除し、自然に痰の量が減少するような方法を検討すべきでしょう。 なお痰を取り除く作用があるとされていた、西洋医学のお薬「ダーゼン」が先日有効性が認められないとして自主回収となりました。このお薬は40年も発売されていたと言うから驚きです。このように西洋医学の痰を減らすお薬は、あまり効果を期待出来ないと考えても良いかも知れません。 中医学でも痰は厄介なものと考えられていますが、根気強く対策を行うと改善が見られます。痰でお困りの方はぜひ漢方の活用を考えてみて下さい。中医学には「痰湿」という言葉があり、これは一般的に我々が使っている「痰」という言葉よりもう少し広い意味を持ちます。「痰湿」は体の中に生じた水分が固まった状態を指し、むくみや頭痛、不眠などとも関係する要素と考えます。ただし、今回のテーマの「痰が多い」状態は「痰湿」に他なりません。「痰湿」体質の改善で、痰の量は減少し、上記の症状がある方は同時に改善の傾向が見られるでしょう。具体的には「温胆湯(うんたんとう)」や「二陳湯(にちんとう)」などが基本処方となり、これらの漢方薬を根気強く服用していくことが大切となります。その他、冷たいものや生もの、油の多い食事の摂取を控えめにすることも大切でしょう。またタバコももちろん止めたいですね。しかし「痰湿」は体から取り去ることが難しいと定義されています。少しずつしか除去できませんから、長い目で見て取り組むことが必要です。とはいえ生活習慣病とも関わりが深い「痰湿」体質の改善は健康維持のために非常に重要です。ぜひ積極的に改善を試みて下さいね!

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