歯が浮く

歯が浮く、という感覚を感じたことはありますか?実は私も経験がないのですが、漢方相談をしているとまれに聞くことがある症状の一つです。それほど多く見られる症状ではないのですが、本人にとっては極めて気になる"違和感"となります。もちろん病院で訴えても対処の方法はなく、歯科で検査を受けても大きな問題が見つかることは少ないでしょう。よって、精神安定剤などが出されるケースが多いようです。 しかし「歯が浮く」という症状の訴えに対して、中医学ではそれを理論的に説明して、対処するお薬もあるのです。もちろん特効薬とはいきませんが、対処法があると言うだけで安心される方も多いようです。歯の問題はすぐに命には関わりませんが、食事という生きていくために絶対的に必要であり、楽しみである行為に大きな影響を及ぼします。漢方薬での対処をぜひ考えてみて下さい。 歯が浮く、という症状を中医学で捉えた場合、まずはじめに考慮するのが「腎」の問題です。中医学での「腎」は生命力などと関係している臓とされ、さらには「骨をつかさどり、髄を生じ、脳に通ずる」と言われています。すなわち「歯」も骨の一部であり、その異常は「腎」の問題と捉えるのです。「腎」は年齢とともに衰えます。よって「腎」の力の低下とともに「歯」の働きも衰えて、次第に歯が抜けるなどします。しかし「腎」が急速に消耗した場合などは「歯」の支えがおろそかになり、「浮く」ような感覚が出てくるのです。そのため「歯が浮く」時の対処方法としては「腎」の精を高めるお薬が必要となります。具体的には「海馬補腎丸(かいばほじんがん)」のようなお薬ですが、その他の体の症状に合わせて漢方薬を選択することが重要です。漢方薬局で詳しく相談してから服用するお薬を決めましょう。

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