頭が重い

頭が痛いというより、頭が重い、といった表現が適している場合があります。頭重(ずじゅう)と呼ばれる症状であり、人によっては「かぶとをかぶっている感じ」「頭がぼわっとして、すっきりしない」というような例えをします。また場所は眉間中心であったり、後頭部周辺、または頭全体の方もいらっしゃって様々です。 一般的に頭重の場合には、脳の血管などの問題より、精神的な要素が原因と判断されることが多くなるかもしれません。頭重を訴える方は、体のだるさや、めまい、吐き気、食欲不振、不眠などの症状が合わせて起きることが多いため、西洋医学的に説明がつきにくく、"心"の問題を疑われます。 しかし、漢方で考えれば、これらの症状は体の中にたまった老廃物が原因であるとみなすことが出来ます。決して"心"の問題と一口に片付けられる状態ではなく、根本的な体質改善を行わなければ、頭の重さはなかなか取れてきません。逆に頭重だけしか症状が無い方も、軽視をしていると他の不快症状が起こりやすい体質と思われるため、早めの対処をお勧めします。頭が重いと訴える方のほとんどは、体に"湿"がたまっています。"湿"とは体の中に存在する余分な水のことです。この水が頭にまとわりつくことにより、すっきりしない不快感を生みだしてしまうのです。よって、頭が重い状態が全身に及んだ場合には、体が重いという症状にもつながっていきます。よって対策としては"湿"を体から追い出すことを考えます。中医学で"発散"と呼ばれる方法を用いて、水分を飛ばすのです。具体的なお薬としては「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」などが挙げられます。しかし、この"湿"が体内で長期間存在すると"痰"と呼ばれる状態に変化し、簡単に発散させることが難しくなります。この場合には"去痰薬"と呼ばれる種類のお薬を使用して、根気強く"痰"を取り除いていきます。「温胆湯(うんたんとう)」などが"去痰薬"の代表です。ちなみに「勝湿顆粒」や「温胆湯」は気分をリラックスさせる効果もあります。これは"湿"や"痰"が除去されると体も心もスッキリするからです。このように、一つの薬で、頭重だけでなく、様々な症状を同時に改善することも可能になるのです。漢方の特徴の一つですね。

症状一覧

このHPについて