尿が白濁しやすい

尿は健康のバロメーターであり、色や量、頻度などの変化を観察することで様々な推測が可能です。どうしても、排泄物は汚いというイメージがあり、特に女性は色などをあえて見ることはしない方が多いかもしれませんが、ウンチと同様に、おしっこも一日一度はチェック出来るといいですね。

さて尿は透明でやや黄色い状態が良いとされます。しかし白っぽく、濁るような尿が出る場合があります。もちろん白濁の程度にも依りますし、1回だけであれば、何ら問題ないでしょう。 しかし何度も白濁尿が出るようであれば、何か理由があるはずです西洋医学的には膀胱炎や尿路感染症で起きやすい症状とされます。また、食事の種類(特に塩分が多い時)によって白濁するケースが考えられます。 このような点を踏まえつつ、漢方的に対策を取ることも出来ます。気になる方はぜひ知識として覚えておきましょう。

尿が白濁しやすい原因を中医学的に考えた場合、まず考慮しなければならない点が「腎陽虚」体質です。「腎陽虚」とは、「腎(生命力・生殖力の意味の他、水液の分別の働きも担う)」の「陽」が不足した状態を指します。すなわち、「腎」の力不足で水分の分離が上手く出来ずに、濁った状態で尿を排泄してしまった、と考えるのです。「腎陽虚」の体質があると、冷えや疲れ、むくみなどの症状も起きやすいとされます。よって、「補腎陽」の性質をもった漢方薬を使うと症状が軽減します。

具体的には「参馬補腎丸(じんばほじんがん)」や「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」「真武湯(しんぶとう)」などであり、疲れたり冷えたりすると尿が白濁する方は、これらのお薬が当てはまることが多いでしょう。しかし、これらはどちらかと言えば体質改善のお薬であり、白濁している急性期は前回述べたように尿路感染症などが疑われます。その場合には炎症を鎮めることを優先し、落ち着いたら「補腎陽」を心掛けると良いでしょう。ちなみに上記タイプであれば、疲労を避け、身体を冷やさないようにするとが大切です。そして羊肉やエビなどを食べて食養生にも努めてみて下さいね。

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