体臭については、自分が気にするケースもあれば夫婦などの相手の臭いが不快と感じるケースの二通りあります。しかし、そもそも体臭は人間が持つ自然な臭いであり、不快なものではないはずです。度を過ぎて過剰に体臭を気にし過ぎる必要はないように感じます。ましてや日本人は毎日のようにお風呂に入る習慣があり、極めて清潔な状態を保っています。不潔な環境で生じる臭いであればまだしも、自然な体臭の発生はごく当たり前の現象です。とはいえ、あまりにも臭いがきつい場合などは周りの人に迷惑と考えてしまい、悩みの種となります。香水などを使って臭いを消すという選択肢もありますが、このような時は体のバランスの崩れがあるのではないか、と疑ってみる必要があります。
特に暑がり、汗かき、肌の荒れや乾燥などがある方は、漢方的な原因が見つかるケースが高いでしょう。体のバランスの崩れを漢方薬などで正せば、体臭対策になるばかりか、病気の予防にもつながります。中医学では臭いを体質判断の材料とします。おそらく昔はもっと体臭が強いことが普通であったと思いますが、今はほとんど全ての人が無臭に近く、問題視するケースは多くありません。とはいえ、理論は確立されており、体臭が気になる方は参考にされると良いでしょう。さて体臭が強い状態は基本的には"余分な熱"が生じていると考えます。暑がり、汗かきなどにもつながっていきますが、体内のバランスが"熱"に傾いていることが原因で臭いが生じると捉えます。これは一部に"冷え"があり、一部は"熱"という状態でも起こりえます。「自分は冷え症で、寒がりなのに体臭が気になって変だな」という方は、体内の巡りが悪く、一部が冷えで一部に熱、というパターンになっているケースが大半です。このような時は"熱"を取りつつ、巡りを改善する漢方薬を服用していく必要があります。体臭が気になる時に使われる代表的な漢方薬としては「瀉火利湿顆粒」などが挙げられると思いますが、上記のように冷えと熱が混合していることも多いので、体質判断をしっかりと行った上で漢方の服用を検討された方が良いでしょう。
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