しゃっくりがよく出る

新生児や乳児はしゃっくりが良く出ます。私も子供が生まれた時に「赤ちゃんはこんなにしゃっくりをするんだ」と驚いたものです。しかし大人であってもしゃっくりが良く出ると言う方もいらっしゃいます。大事な時にしゃっくりが止まらなくなると困ってしまいますよね。 しゃっくりを西洋医学的に考えると、横隔膜のけいれんであるとされます。とはいえ、そのけいれんが起こる原因は良く分かっていません。また命に関わる問題ではないため、生理現象として特に深く研究もされていないようです。ある程度でしゃっくりが止まったとしても、1日に何回も起きたり、毎日のようにしゃっくりが出るようですと大変で、生活に支障をきたします。 何かしらの対処を考えるべきでしょう。そしてそのための手段として漢方という方法があります。実は漢方でしゃっくりは「吃逆(きつぎゃく)」と呼ばれ、体質判断の参考にすることがあります。そして頻繁に起こる「吃逆」は体のバランスの乱れと捉えるのです。漢方ではしゃっくりの主な原因を「気逆」によるものであると定義しています。「気逆」とは本来は下るべき"気"が逆走して上昇してしまった状態を指します。食べ物は口から摂り入れて下降し、便や尿となる過程が普通ですが、その方向が逆になってしまうと、"上昇"して、吐き気、げっぷ、しゃっくりなどになってしまうと考えるのです。そしてその「気逆」が起こる原因の一つが、"脾"すなわち胃腸の弱さにあると考えます。簡単にいえば胃腸の力不足のために、"気"が思うような方向に流れずに、逆走してしまうのです。子供はもともと胃腸が未発達のために、しゃっくりも起こりやすいし、吐くことも多いのだと考えられます。また大人でしゃっくりが起こりやすく、止まりにくい方は、胃腸系がもともと弱かったり慢性病で体が弱っている方が多いと思われます。体を維持するうえで非常に大切である胃腸ですから、しゃっくりが多い方はそこを守る対処を考えていくと良いかもしれません。しゃっくりを止める有名な処方が「丁香柿蒂湯(ちょうこうしていとう)」です。この薬に含まれる丁香と柿蒂が気逆を収め、しゃっくりを止めるための主役となる生薬です。そのうちの柿蒂は柿の"へた"であり、意外ですがしゃっくり止めの優れた効果を発揮するのですよ。

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