手足が震える

寒さで体が震えることはどなたでも経験のあることだと思います。また、緊張した時にプルプルと手が震えたことがある方も多いことでしょう。 しかし、寒さや緊張に関係なく手足だけ震える場合は注意しなければなりません。医学用語で振戦と呼ばれる状態ですが、パーキンソン病、甲状腺機能亢進症、その他神経疾患の可能性が疑われます。 しかしこういった病気とは無関係に震えが起こるケースも多く、また上記のような病気が疑われても、対処法がなかなか見つからない場合も存在します。特に高齢の方に多い「本態性振戦(原因不明のふるえ)」などは、薬で症状を軽減することが出来る場合もありますが、根本的な解決にはつながりません。ふるえがあると、周りの目が気になったり、仕事や家事に差し支える方も多いものです。そのような時は、体に優しい漢方薬での対処を考えても良いと思います。 手足の震えの漢方的な原因の一つは「血虚」です。簡単にいえば貧血状態なのですが、血液検査で貧血と判断されない場合であっても、「血虚」である可能性はあります。「血」は「肝」に蓄えられているのですが、その「肝血」が不足すると「内風」と呼ばれる体の中の「風」が生まれます。その「風」が手足を震わせると考えるのです。よって、この「肝風」を除去しながら、「血」を補っていけばふるえは次第に収まって来ます。「婦宝当帰膠」などの「補血薬」を使用しても良いと思いますし、「抑肝散」など「風」に対する生薬が入っている処方を併用すべき時もあるでしょう。 しかしふるえの原因が「血虚」だけでないケースも多々あります。しっかりと中医学的な原因を見極めた上で対処を考えましょう。

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