残便感がある

便がすっきりと出ない、という感覚があると、人間はことのほか不快感を感じます。 一口にすっきり出ないと言っても様々で、力んでやっとコロコロ便が出るような方も入れば、普通に便は出るものの、何となく残っているような感覚が続いてトイレにこもるような方もいます。今回は「残便感」という言葉で表しましたが、どちらかとえば、後者のような状態の症状についての考え方と対処法を学んでいきましょう。 残便感がある、という状態も一種の便秘です。「毎日お通じはあるのだけれど...」と言う方もいらっしゃると思いますが、排便はやはりスッキリ感が大事です。放置せずに対策を取ると良いでしょう。しかし残便感があることを病院で訴えても、対処方法はほとんどありません。下剤を使っては下痢になってしまう可能性が高いでしょうし、整腸剤なども大きな効果は期待薄です。 このような時こそ漢方の知識が役に立つのです。便を出してもすっきりしない場合、考えられる要因の一つは「気」の不足です。簡単にいえば、「気」すなわち力不足によって、便を出し切ることが出来ないのです。どちらかというと高齢の方や細身の女性に多いでしょう。このタイプの方は、便を出した後に、疲労感を感じることが多く、脱肛を伴うこともあるでしょう。日本の処方ではなかなか対処が難しい「気」の不足による便秘ですが、「補中益気湯(ほちゅえっきとう)」が第一候補になると思います。また別の要因として「気」の巡りが悪い状態も考えられます。「気」が動かないと内臓すなわち腸の動きも停滞します。よって便がいつまでも残った感覚が残ってしまいます。このタイプの方は、お腹の張り、ガスやげっぷがが多いという特徴があります。「開気丸(かいきがん)」「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」と「麻子仁丸(ましにんがん)」などを組み合わせて対処します。

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