目がかすむ

私たち人間が外部からの情報を認識する時に、視覚はその大部分の役割を担います。裏を返せば、目は毎日大活躍、もっとも酷使されている器官と言えるでしょう。しかも現代生活は、夜間の活動が増えているうえに、テレビやパソコンなど目に負担のかかる場面ばかりです。目の異常が起きやすいことも至極当然のことと言えるでしょう。 目がかすむ、という症状は基本的に"目の疲れ"が原因です。しかしそれほど目を使っていない人であっても、頻繁に目がかすむという方もいらっしゃいます。女性に多いのですが、体質の問題であり、体からのSOS信号の一つと捉えられます。 中医学では「目」と関連の深い五臓は「肝」であり、「肝」の大切な機能の一つが「血の貯蔵」です。その「血」の問題が目がかすむという症状に深く関わっているとされるのです。中医学では「目」は五臓の一つ「肝」と密接な関係があり、その「肝」には「血を蔵す」機能があるとします。すなわち「血」が足りないと「肝」に影響をきたし、その結果「目」に症状が現れるのです。貧血症状が起きると、めまいの前に「目がかすむ」という感覚を起きることがありますが、まさにこれは「血」の不足が目のかすみの原因となった現象の一つと言えるでしょう。よって普段、目がかすむことが多いという方は、中医学でいう「血」の不足である可能性が高いと言えます。専門用語で「血虚(けっきょ)」と言いますが、この体質を改善できれば目のかすみも減っていくと考えられます。その体質改善のための漢方薬としては「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」や「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」が考えられます。これらを服用すれば比較的短期間で目のかすみが改善する可能性が高いでしょう。また生薬の「枸杞(クコ)」もお勧めです。また養生としてはレバーやほうれん草などの「血」を補う食材を摂ると良いでしょう。目がかすむという症状は「肝」のSOS信号です。早めに対処することが肝心ですよ。

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