口の中が粘る

口の中がネバネバした感じを経験したことはありませんか?緊張したときなど、口が乾燥した時に起こりやすく、唾液が糸を引いたようになり、しゃべりにくくなったりする場合もあります。一時的なものであれば、お水を飲んだりして対処することが出来ますが、慢性的な症状となると困ってしまいます。相手が話を聞き取りづらくなったりと生活や仕事に影響が出る場合もあるでしょう。しかし病気とまでは言えず、対処に苦労している方も多いのではないでしょうか。 口の中が粘る状態は、中医学では「水」の問題と考えます。そして、なぜ「水」の問題が生じるのかを突き止めていき、その根本原因を対処していけば、口が粘りやすい体質を変えることが可能とされるのです。普段は問題なくとも、緊張で口が粘ることが多い方も、根本には体質のバランスの乱れが隠れているケースがあります。早めに体質改善のための対処をしていくことが重要です。 口の中がネバネバした感じがある場合、中医学では「湿」すなわち余分な水の存在をまず第一に考えます。食物や飲料から摂り入れた「水分」は普通は胃腸で吸収されます。しかし胃腸の機能が弱っている場合などは、その「水分」は溢れて「湿」となり体内に残ることになります。この残った「湿」はいわゆる不要な水分であり、体に悪影響をもたらすことになってしまうのです。そしてこの「湿」は粘る性質を持ち、これが口まで出てくると、口中の粘りにつながります。しかし、口が乾燥した場合もネバネバが生じるのはどうしてでしょうか。この場合は体内の必要な水分(津液)が熱化されて減少し、口の乾燥(口渇)が引き起こされ、元からある粘性の性質を持つ「湿」がクローズアップされて生じた症状であると説明できます。ちょっとややこしいですが、砂糖やみりん入りの煮汁を煮詰めると、最初はサラサラなのに段々と粘性が出てくるイメージでしょうか。 よって口の中が粘りやすい方は、「湿」を生じさせない工夫が必要です。まず摂取した水が吸収されやすいように、胃腸を労わることが大切です。そして、水と油は分離しますので油の多い食事はなるべく控えること、水分を摂る時には温かい状態で少量ずつこまめに飲むこと、お酒は控えめにすること、アイスクリームや生クリーム、チョコレートは控えめにすることなどが大切です。それでも変化がない場合は「湿」を取り除くために「温胆湯」などの漢方薬を飲んでみましょう。 なお水を飲むことは控えるべきではありません。水は体に必要な物質ですから吸収を良くすることが大切なのです。口の中が粘る方は口臭につながる場合もあります。漢方薬や養生で体質改善をして、「お口スッキリ」を目指しましょう!

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