口内炎が出来やすい

口内炎は非常に不愉快な症状です。それがすぐさま生命に影響する訳ではありませんが、"生活の質"を著しく低下させます。「食」は人間にとって欠かすことの出来ない存在であり、美味しい食事を楽しむことは、人生の"幸せ"の一つであるとも言えるでしょう。その"幸せ"を奪い去る口内炎は、日常生活上、非常に大きなストレスになります。

 

しかも口内炎は繰り返しやすく、年中悩まされているという方も多いようです。医学的には口内炎の大部分が、細菌やウイルス感染によるものとされますが発生過程など不明な部分も多く、対処が厄介な病気の一つと言えるでしょう。

一般的にはイソジンなどの消毒液やケナログという軟膏での治療となりますが、発生場所によっては薬が付けにくかったり、効かないケースも多々あるようです。

なお同じ場所の口内炎が長期間治らない場合などは、単純な病気でない可能性もあり、専門機関での診察が必要です。

 

口内炎は基本的に免疫が落ちた時に発生する病気であり、漢方的に見れば何らかのバランスの乱れを示唆しています。そして、そのバランスの乱れを正すことによって、口内炎の出来にくい体作りにつながっていくのです。口内炎が出来るたびに、軟膏で対処していても根本解決にはなりません。体質改善を目指しましょう。

 

口内炎が出来やすい方を中医学的に体質判断する場合、まず"脾"の問題がないか疑うことから始めます。中医学で云う"脾"は、消化器系統を指します。そして"脾"は"口"と関係しているとされ、"口"の病気は"脾"に問題があると示唆されます。

よって胃腸が弱い方は口の周りが荒れたり、ニキビが出来やすかったり、口内炎が生じやすいと考えるのです。

 

しかし"脾"以外にも"心"や"肺"が関係している口内炎も見受けられます。"心"は「心(こころ)」の問題であり、不安感が強く、睡眠の質が悪い方は"心"の乱れから口内炎につながっている可能性があります。

また、"肺"のバランスの乱れは、粘膜を弱め、結果として口内炎の原因となる場合があります。

 

もう一つの捉え方として、口内炎は炎症ですから、口に生じた"熱"と考えます。前述の"脾"や"心"、"肺"の問題であっても、ほぼ例外なく"熱"も考慮して体質を判断します。

 

よって、口内炎の急性期には"熱"を取り除く漢方薬である「黄連解毒湯」などが効果的となります。しかし、口内炎が出来やすい体質を整えるという観点から言えば、"脾"などから"熱"が生じさせないようにする漢方薬を考えるべきです。例えば「星火健脾散(せいかけんぴさん)」や「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」などを長い目で見て服用するようにします。

 

なお、口内炎が出来やすい方は、養生として、睡眠をたっぷりと取り、食事は食べ過ぎないようにして胃腸をいたわることが大切です。バランスよく消化の良い食事を摂るべきですが、ニガウリなど"熱"を冷ます食材を使った料理が特におススメですよ。